よりよいIIIFコンテンツ閲覧環境に向けて

IIIFは、ウェブコンテンツを相互運用するためのコンテンツ記述方法を提供しています。しかしながら、あまりに多機能であるため、すべての機能を網羅するビューアの開発はきわめて困難です。既存のIIIF対応ビューアでは、それぞれの用途に応じた機能を提供していますが、人文学のニーズに十全に対応できているわけではありません。

人文情報学部門では、IIIFコンテンツの閲覧環境全般について、人文学のニーズにより即した機能を検討・開発しています。ここでは、その取り組みの一端を紹介しています。

IIIF動画アノテーション環境の開発

人文情報学部門では、IIIFにおける動画利用の可能性について検討するとともに、動画へのアノテーションを実現するための開発を行っています詳細は「IIIF動画アノテーション 」をご覧ください。

Mirador 3 アノテーションツールチッププラグインの開発

スタンフォード大学図書館が中心となって開発が続けられているMiradorは代表的なIIIF対応ビューであり、当部門においてもさまざまな形で活用しています。Mirador Version 3では、以前のバージョンで標準機能として提供されていたアノテーションツールチップ機能が削除され、アノテーション一覧からそれぞれのアノテーションを閲覧する形になりました。そこで、当部門では一般財団法人人文情報学研究所ならびに有限会社フェリックス・スタイルと共同で、ツールチップ機能を実現するためのプラグインを開発しました。

SAT大正蔵図蔵データベースにおけるアノテーションツールチップの活用例

こちらのJavaScriptファイルをウェブページのソースに組み込むことで利用可能です。記述例は以下の通りです(この例ではMirador Image Toolsプラグインも一緒に組み込んでいます)。


<script src="./mirador3_20210710.js"></script>

<div id="viewer" style="width:100%;height:90%"></div>

<script>

var viewer = Mirador.viewer({

id: "viewer",

windows:[ {

imageToolsEnabled: true,

"loadedManifest" : "https://dzkimgs.l.u-tokyo.ac.jp/iiif/zuzoubu/12b02/manifestm3.json",

"canvasIndex": 0

}],

"window": {

sideBarOpenByDefault: true,

defaultSideBarPanel: 'annotations',

highlightAllAnnotations: true,

views: [{key: 'single', behaviors: ['individuals'] }]

},

catalog:[{"manifestId": "https://dzkimgs.l.u-tokyo.ac.jp/iiif/zuzoubu/12b02/manifestm3.json"}]

}, [ miradorAnnotationTooltipPlugins, miradorImageToolsPlugin]);

</script>


本プラグインはオープンライセンスでの公開となります。ぜひご活用ください。